神待ち掲示板・アプリの危険性

泊る場所や食事に困った女性が救いの手を差し伸べてくれる人を募集する神待ち掲示板・アプリは、援助交際や悪徳サクラ出会い系による詐欺、援デリ業者による詐欺の温床となっているので絶対に利用してはいけません。

神待ち掲示板・アプリとは?

「神待ち」とは、家出した少女などが泊めてくれる人をネットの掲示板やアプリで募集することで、「寝泊まりするところがないという状況から救ってくれる人=神」というところから生まれた言葉です。宿泊場所の提供だけでなく、食事をご馳走してくれる相手を募集することも神待ちの一種です。そして、“神待ち”に使われる掲示板やアプリのことを、神待ち掲示板や神待ちアプリといいます。神待ち専用でなくても、LINE ID交換掲示板が神待ち目的で使われるケースもあります。

神待ち系の掲示板や出会いアプリは、ネットを検索すると無数に出てきます。ほとんどの神待ち系の掲示板やアプリは、登録不要で年齢確認もなく誰でも使えるばかりで、未成年の児童でもスマートフォンなどの携帯があれば簡単にアクセスして使えてしまうという危険性があります。

未成年との援交の温床となっている

神待ち系の掲示板や出会いアプリの危険性でも最も重大なのが、家出少女など18歳未満の児童が援助交際や児童買春といった性犯罪に巻き込まれる可能性が高いということです。

宿泊場所や食事に困っている人とそれを助ける人の出会いの場というと聞こえはいいかもしれませんが、神待ち系の掲示板や出会いアプリは、善意で成り立っているものではありません。神待ちをしている女性に救いの手を差し伸べる男性は、肉体関係と引き換えに援助することを目的としている人しかおらず、純粋な人助けが目的で使う男性は皆無です。

そもそも、神待ち系の掲示板や出会いアプリは、困っている女性と助ける代りに肉体関係を求める男性との出会いの場を意図して作られているので、援交や児童買春などの被害が発生しやすいのです。

神待ちを装う悪徳出会い系のサクラも多い

神待ち系の掲示板や出会いアプリを使う危険性は、女性側だけでなく男性側にもあります。神待ち系の掲示板や出会いアプリには、不正課金や架空請求によって料金を騙し取る悪徳詐欺の出会い系のサクラによる書き込みが非常に多く、メッセージのやり取りをしても女性のプロフィールページやアダルト出会い系などに誘導される危険性があります。

一般の女性でも、援助してくれる男性を募集する書き込みを投稿する神待ち系の掲示板や出会いアプリは、悪徳出会い系のサクラにとって、その存在を見分けづらくさせるのに格好の場として悪用されやすいです。

普通の出会い系アプリでは、援助系の書き込みをするのは業者やサクラばかりなので、簡単に一般の女性との見分けがつきますが、すべての女性ユーザーが援助系の書き込みを投稿する神待ち掲示板では、どの女性が本物なのかを見極めることが難しいです。

出会い系を悪用する援デリに騙される危険性

神待ち系の掲示板や出会いアプリには、悪徳出会い系のサクラ以外にも、神待ち女性を装った援デリ業者による募集の書き込みも非常に多いです。「最初だけ2万」などの条件で会える男性を募集する援デリ業者にとっても、神待ち系の掲示板や出会いアプリは、格好の客引きの場となっているのです。

普通の出会い系アプリでは、割り切りの条件で男性を募集している女性は、援デリ業者であることがすぐにバレて無視されることが多いですが、神待ち掲示板では業者であることがバレる可能性が少ないので、援デリ業者にとって好都合というわけです。

また、援デリ業者は神待ちをする女性にとっても危険な存在です。宿泊場所や食事に困窮して神待ちをする女性にとって、救いの手を差し伸べてくれる“神”は喉から手が出るほど出会いたい存在ですが、そんな“神”の中には、宿泊場所や食事の提供と引き換えに、出会い系で募った男性客相手に売春を強要する援デリ業者もいるのです。

日本人の人身取引、過去最多=昨年25人被害-警察庁

時事ドットコム(2017年2月16日)

10代が過半数の13人を占めた。家出中の15~22歳の女性6人がインターネット交流サイト(SNS)で知り合った男に契約書を書かされ、出会い系サイトで募った客の相手をさせられるなど、被害者の3分の1はSNSを介して容疑者と知り合い巻き込まれていた。

※引用元

このニュース記事では、SNSが具体的に何かについては言及されていませんが、被害や事件の性質上、SNSの中でも神待ち掲示板・アプリで発生している可能性は高いと考えられます。

まとめ – 男性も女性も絶対に使ってはいけない

Google Play Store や App Store から関連アプリが大量に削除されたことなどにより、「神待ち」という言葉がネット上で流行った時期に比べると、現在では神待ち系の掲示板やアプリはさほど注目も利用もされてはいませんが、存在そのものがすべて消えたわけではなく、被害は変わらず発生し続けています。

昨今、一部の若い女性の間で流行している「パパ活」も言葉こそ違えど、意味合いとしては神待ちと同じです。どちらも、金銭的・物質的援助と引き換えに肉体関係を強要される危険性が高いので、絶対に手を出すのは止めておきましょう。

男性にとっても、神待ち掲示板・アプリは、まともな出会いが期待できるものではないので絶対に利用してはいけません。